かんそうおきば

ポエミー

スルース 〜探偵〜 の感想 ネタバレ注意

前回の投稿よりだいぶ時間が空いてしまいました

ところでスルースの探偵バージョンを観てきました。新納さんのピエロ姿が見たくて……この舞台は公式から「ネタバレしないでください!」というお達しが出るほどのどんでん返しが待ち構えてるのでまだ観てない方は読まない方が絶対楽しいですゴーホーム!

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 旅行代理店の若き店主、マイロ・ティンドルは高名な小説家、アンドリュー・ワイクの邸宅に招かれた。実はマイロはアンドリューの妻、マーガリートと親しい仲になっていた。彼との決着をつけようと覚悟をして訪ねたマイロだったが、予想に反してアンドリューはマーガリートをけなし、マイロとマーガリートとの結婚を簡単に許すと言い出した。しかしそれと同時に、金遣いが荒く贅沢に慣れきっているマーガリートを養えるのか?とも問いただす。答えに窮するマイロにアンドリューは一つの提案をする……。

 

 

こんな感じ

 

 

とにかくショッキングな演出が多くて驚かされました。照明の使い方がものすごく効果的だなあという印象で、大きな窓から差し込む雷や1幕終わりの一瞬で消える照明が「ミステリー」な要素をめちゃくちゃに盛り上げてくれてたなあと思います。引き込まれる〜〜

フォロワーさんにダイレクトマーケティングされて観るに至ったんですけどその際に新納慎也がピエロの格好をするぞと聞いていて実際観たらほんとにピエロの格好してるし思ってたよりはしゃいでるしえっ眼福 新納さんのあの青いスーツの似合い様はなんなんですかね足長………… 最初こそ不倫のこと話すぞ〜〜〜結婚したいっていうぞ〜〜〜ってめっちゃ気負ってるのにお酒入ってお金の話されるとどんどん緊張がほぐれて年相応になっていくマイロは愛されるべきキャラクターですね 不倫してるけど

ソファーに座ってあまりのふわふわさにびっくりしてるとことか高いお酒を飲み慣れずに顔をしかめてしまったりとか あまり稼ぎのない、平凡な青年であることが伺えてそういう細かい演技が光ってるなあと

そんな純朴な青年だったマイロが「ゲーム」によって覚醒してしまうんですよね アンドリューにとしては喜ばしいことだったのかどうなのか ラストでマイロに一緒に住もうと持ちかけるアンドリューには自分が魅了された「ゲーム」に同じ様に魅了されたマイロが是非ともこれからも仲良くしておきたい人物として映ってたのかなあ

言ったら老後の趣味?えっそんなスリルに満ちた毎日送ってたら心臓麻痺起こして死にますよアンドリューさん

でもそんなアンドリューにとって小説家という職業は天職ですよね ミステリーに取り憑かれて頭の中で何度も犯罪をシュミレートして……それでも寄る年波には勝てず小説は時代遅れと言われ、男性としての機能も働かなくなり……それを指摘されてアンドリューはマイロに向けて引き金を引きます けどこれもまた「ゲーム」なんですよね マイロによる

「ゲームセット」と言って事切れるマイロはこれでやっとアンドリューに勝てたと満足して死んでいったのでしょうか アンドリューに一杯食わされたマイロは見返してやりたいと手の込んだゲームを仕掛けるわけですけどそれって結局マイロもまた「ゲーム」の魅力に取り込まれていたということなのかなあなどと思いました

はぁ〜〜〜すごい 狂ってるやつしかいない話だ。最高ですね。大好き。

ミステリーについて考えることが仕事のアンドリューは脳みその中であれこれ犯罪について考えていて、もちろんそれは「ゲーム」なので実際には人を殺したりなんかしないって自分では思っていると思うんですけど、アンドリューはきっとそこの境界が他の人より曖昧になってきているんじゃないかなあ 殺人じゃなくて暴行罪ならまだマシ だとかマイロに技決めた後に「私が倒されなきゃいけなかったんだ」とか 普通の人が引いてる犯罪のボーダーより限りなく犯罪に近いというか 言動やら仕掛けたゲームが派手なのはマイロの方なので、マイロの方がより狂ってるように見えますが実はより深刻なのはアンドリューの方なんじゃないかな

そういえば老警官のフリをしたマイロにアンドリューが「完敗だ!」と語りかけるとマイロは「ブランデーで?」だかなんだか とにかく「乾杯」の方の意味で答えるのがおしゃれだなあと印象に残ってます

ちょっとこれもう一回観たいんですけど何せ地方在住なものでそう何度も気安く観に行けないのがハチャメチャに悔しいです 毛皮のコートを羽織る新納さんの写真集出して欲しいなあ〜〜〜

音尾さんバージョンもきっと観るべき……………………(そっと財布を覗く)