かんそうおきば

ポエミー

TRUMPかんそ

フォロワーさんに勧められてD2版のTRUMPを観ました D-BOYSチャンネルで

観る前からあ〜好きそうと思ってたんですがやっぱり好きでした チョロい

 

感想かきますネタバレ有

 

あらすじ

舞台は吸血鬼(ヴァンプ)が繭期(っていう思春期的な時期)を過ごす学校(クラン)。

主人公のソフィは人間とヴァンプのハーフ(ダンピール)

ダンピールは純血種のヴァンプから嫌われてるのに名家のお坊ちゃん ウルはソフィにめちゃくちゃ構う

階級社会であるヴァンプの世界において重要なのがクラン・フェストという言わば若いヴァンプ品評会 このクラン・フェストで上流階級に見初められるとエリートの道を歩める

よってヴァンプ達は日々様々な修練に励み我が身を磨く。

ある日ソフィはウルにかつて不老不死の力を持っていたとされる伝説のヴァンプ、TRUMPの話を聞かされる……。

的な話 

 

重要な登場人物はソフィとウル、クラウス、アレンの4人

最大のネタバレを言ってしまうと不老不死のヴァンプ、TRUMPはクラウス。

クラウスは劇中でアレンという生徒をしょっちゅう探しているが、実は探していたアレンは猫で本物のアレンは100年前にとっくに死んでいたという話……えっ怖い

本編はソフィの回想から始まり100年前と100年後を行ったり来たりします。

ヴァンプは同族を噛むと主従関係を結べて、そのことをイニシアチブと呼んでいる。クラウスはヴァンプ全員の祖先でありクラウスがヴァンプ全員のイニシアチブを握っているためヴァンプ全員を好きなように操れるしクラウスの精神とヴァンプ全員の精神は繋がってる(?)

とにかく雑魚キャラかと思ってたらラスボスだったっていうパターン。

クラウスはなんであんなにアレンに固執していたんだろうかと考えるとクラウスにとってアレンは「自由」そのものだったのかなあ。

授業をサボり女の子に会うためクランを抜け出すそんなアレンにクラウスは憧れていたのかもしれない。自分は不老不死で老いることも死ぬこともできず生という監獄に縛られ続けているからクラウスにとって「生」は飽き飽きしてしまうような、常に自分と共にある存在だけどアレンにとってはそうじゃない。限られた時間の中で自分のしたいことをしたいようにするアレンと友達になったら少しは「生」を特別に感じられるかもしれない。そんな期待を持ってアレンに固執したのかもしれない。

クラウスにとってアレンは「生」のそして「自由」の象徴なんじゃないかなあと思う。

そんな不老不死のクラウスに対してアレンは「不老不死は寂しい」って言っちゃうんですけど、知らないからしょうがないんですけど、無知って残酷だなあ〜〜!そんでアレンは死ぬときに「君はずっと寂しかったんだな」ってとどめさしてから逝くんでしょ……どっひゃ〜しかも不老不死を望んであげない。一緒に生きてあげない。でもここでアレンが不老不死を望んじゃったらきっとクラウスがアレンに感じてた眩しさや憧れは無くなっちゃうんでしょうな。死という終わりがあるから美しい存在……。

不老不死っていうテーマはこれまで散々様々な作品で描かれているけれどそのどれもが大体「不老不死は寂しい、結局のところ孤独」みたいなオチに繋がっているような気がします。TRUMPも例外ではなく不老不死であるクラウスが孤独にもがき苦しんで周りを巻き込んでいく話。

そしてそんな話には必ず不老不死を求めるキャラクターが登場するわけですがこの作品においてその役割は名家の坊ちゃん、ウル。純血種かと思われていたウルは実はダンピールでしかももうすぐ死にそう……。いい……いいぞ……これはめちゃくちゃ不老不死を追い求めそうな背景だ……。クラウスという「死」(というかそれに付属する自由)に憧れるキャラクターと相対する「生」にしがみつくキャラクター。隣の芝生は青いってこういうことか〜

「生」を追い求めるにあたり自分で「友達」と言っていたソフィにまで刃を向けちゃうウル君……ああ〜〜いいぞ〜〜いい感じにエゴイストだぞ〜〜〜!!

そもそもウルがソフィと仲良くしてたのだって自分がダンピールだからソフィが虐げられているのは自分が虐げられているのと同じだから。「ヴァンプに上も下もない」って発言はそもそもダンピールを下に見ているからできる発言だと思うし、思想自体は純血種そのものなんだろうなあと。もしこれでウルがダンピールじゃなかったら多分ソフィとは仲良くしてなかったと思う。

フゥ〜〜〜エゴとエゴが交錯するこの感じめちゃくちゃ好きです……これソフィは本当の本当にとばっちりなんですよね なんもしてないのにめちゃくちゃ巻き込まれて……不憫すぎる……

ソフィの父親はアレンなんですけど この父親がアレンだっていうことだけでクラウスに不老不死にされちゃうしウルには勝手に同情されてしかも最終的には刃まで向けられても〜〜〜たまったもんじゃねえな !!苦労人ソフィ君頑張れめっちゃ頑張れ……

 ソフィはどうやら アレンが愛したメリーベルにそっくりなようで、これクラウスめちゃくちゃ複雑なんだろうなあ 自分の「自由」の象徴を(結果的に)奪った女メリーベルにそっくりな、でも自分の手に入れたかった「自由」の香りのする存在。クラウスはアレンに自由を見ていて、アレンの血の香り=自由と捉えていたけどやっぱりソフィとアレンは違うから姿を消したのかな〜〜〜もしくはやはり「永遠の生」を手に入れてしまったことによる「自由」「生への執着」の欠損がクラウスにとってのソフィ(アレンの血)の価値を失わせたから?

私は今のところLILIUMもSPECTERも観ていないのですが残ってる謎はそれらで解明されているのかきになる……LILIUMはとりあえずすぐ観てみよう

 

追記

フォロワーさんに指摘していただいたんですけど、アレンはソフィの父親じゃなくて祖先なんですね そういやヴァンプの血は薄くなってるって言ってたね……ソフィに行き着くまで何人かのダンピールが生まれてその誰もが人間と結婚しているとなるとソフィとメリーベルの間に生まれた子供は人間の村でそこまで迫害されなかった?のかな?

LILIUMではメリーベルがしこたま迫害されてたからダンピールは人間にもヴァンプにも嫌われてるんだなあと思ってたけどソフィはメリーベルほど卑屈になってないし100年の間で何かが少し変わっているのかもしれない